ぼっちろぐ!

Eラン私理3女。進路模索中。

塾講辞めたい

 年明けから弱音を吐くようなことになりますが、冬期講習が終わり、一つの節目なので塾講についてまとめたいと思います。

 

 「1年くらい塾講やったら辞めようかな~」と思いながら始めて早2年。辞めたい理由は、私の場合ただ一つなんだよね。そう、「不登校の生徒Aの指導しんどすぎ」。これに尽きる。Aの担当になったのは約1年前。当時、Aはちょうど中学に行かなくなり始めた頃である。いじめ、人間関係が理由ではない、家庭環境が複雑である、塾では常に寝ている、等の情報が与えられ、指導がスタートした。始めの3か月くらいはもう苦労の連続だった。初日だけは意欲を出してくれて、まともな授業ができたが、以降はもうホントにダメ。宿題をやらない、挨拶をしない、遅刻欠席をする、等はまだいい方で、口を利かなくなる、刃物で脅す、受験票や塾のお便りを意図的に紛失する、などなど。Aがカッター3本出した時、なんで私辞めようとしなかったんだろうね。まだきっと夢を見ていたんだろうな。「Aは塾には来てくれているのだし、きっと本当は勉強をしたいはずなんだ」と。

 なぜ3か月後、苦労しなくなったのかというと、私たちがAを正そうとしなくなったからだ。「ここをやってきてね」と宿題を出すのではなく、「今日やった問題をやっておいてね」に変え、口を利かなくなった時はこちらも口を閉ざし、書類は保護者の方へ直接届けた。次第に遅刻や欠席が無くなっていった。そうしてAの鞄から刃物は無くなった。時折笑顔さえ見せてくれるようになった。

 

 でも、これでいいのだろうか?と非常に強く思う。他の講師が熱心に二次関数を指導している間、私はAの好きなゲームの話をひたすらに聞き続けている。「子どもは塾では熱心に勉強しているのだ」と信じている保護者に、受験生の指導に明け暮れている他の講師に、成績を心配している上層部の方に、本当に申し訳ない。私は必死に、「家での勉強時間がゼロなのに、塾では勉強するなんてばかな話はない」「不登校の子どもが塾は嫌がらずに来てくれているのだ」「まず模試を受験するということがすごいんだ」などと言い訳をしている。醜い。もうこんな自分に嫌気がさす。Aを正すことができなず、他の講師の目を恐れ、保護者を半ば騙しながら、それでもAの指導をしていると言い張る自分が。